WWA作るのと

同時進行で「攻撃艦事件回顧録」っつー小説まがいのモノ書いてます。
どうも、ね。帝國軍の再侵攻を語るに当たってマリーモ一人じゃ力不足なんでね。
登場人物への感情移入、というよりも複数人の目を通して
この戦争全体の背景を見渡す、みたいな感じで。軍人も民間人も色々。
ゲームの製作が進む度に1話づつ書き進めてます。だから時間軸だけは統一されてたりとか。
即ち、完成するのはゲームの完成と同時。
本編の更新が遅いお詫びに、一番最初のエピソードをちょっと公開。


Case_1 大蛸威帝國空軍大佐:クルンテープ・マハーナーコーン

「そうだろう、軍曹…やってみたいとは思わんかね?」
私がそう言うと、目の前の男は目を輝かせた。
未だ艦内の無重力状態に慣れていないらしく、少々落ち着かない様子だが。
「そうですね。裏切り者は処分する必要がありますからね…
私がこの手でやってみせます。必ず。」
彼ははっきりとそういい切ってから敬礼した。

目線を窓に向けると蒼い星の地表が四角く切り取られ、エンジンからの
排熱で陽炎のようにゆらいで見える。この星の何処かに必ず、あの男…そして
あのエースがいる。この艦に装備されたあの兵器が、この戦いに終止符を打つ。


──そう思うと、思わず笑いがこみ上げてきた。

「…どうしましたか、艦長?」
私の笑みを不思議に思ってか、彼がそう問いかけた。

「いや、何でもない…早く出撃準備を整えてくれ。」
私はその一言だけ答え、また窓に視線をやる。
カーキの陸地と、そこにいるであろう豆鉄砲を携えた大勢の兵士。
紺碧の海と、そこに浮かんでいるであろうブリキの軍艦。
純白の雲と、その中を行っているであろう紙の翼。

彼等の必死な抵抗を、私は鼻で笑ってみせた。